香港と深圳へ視察に行ってきました。 まず「アートバーゼル・香港」の報告です。
2013年より始まった「アート・バーゼル・香港」へ行ってきました。世界最大規模のアートフェア「アート・バーゼル」の香港版です。 2012年までは「香港アートフェア」として開催していたイベントを本家であるアートバーゼルの運営形式を踏襲しながらヨーロッパの名だたるギャラリーも参加する一大アートフェアへと変貌しています。ギャラリー関係者の話によると過去の「香港アートフェア」のときには入っていなかった欧米の大ギャラリー(Annely Juda Fine Art, Gagosian Gallery, Galerie Gmurzynska)など、顧客も香港だけでやっていたときとはガラッと変化したそうです。
「アート・バーゼル」というブランド力のある事業の傘下に敢えて入り込むことで、欧州の主要なギャラリーならびにクライアントネットワークを獲得し、香港をアジアにおける中心的なアートマーケットへ成長させる戦略でもあります。
ゆえにフロアプランでは蒼々たる画廊の名前が並びます。
会場の様子を少しだけ紹介します。
↑会場内は各ギャラリーのブースに加えて、巨大なインスタレーションを展開するギャラリーもありました。
↑《Letters》Yu Cheng-ta, Live Performance
会場内でパフォーマンスを実施する作品もあります。
ここでは作家本人に会うことができます。写真は白い壁ではなく、左上にギャラリー名と会える作家名が記載されており、画面右奥に作家本人がソファーに座っています。
↑《Salon》プログラム
会場内特設ブースでアートを巡る様々なトークプログラムが開催されています。
↑アート系雑誌メディアのブースもありました。
名刺を渡すと刊行物をもらえるところもありました。
↑香港市内にあるアートスペースの展示ブース
写真は来年竣工するアートスペース「M+」のプロモーションブース。
建築設計をヘルツォーク・ド・ムーロンが担当しており、香港の新しい名所として話題の施設になりそうです。
写真を見返していても至るところに「Basel」という表記が並び、香港に来ているという印象が減じられている感があります。ここまで多いと「あれ、香港だっけ」とも思います。とはいえ、参加したギャラリストの話では香港のフェアはまだまだ本家のバーゼルにはかなわない、と。本家のバーゼルでは、世界中から大富豪(特にアラブ系)が自家用ジェットで駆けつけオープン前にはほとんどすべての作品が完売するらしいです。その巨大なネットワークを手中に入れるため敢えて「アートバーゼル」の懐に飛び込んでいった香港アートフェアのこれからが気になるところです。
(終)
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